(たっかん)















水の音
シーツ
弾む息









存在する唯一

感じる、のは お互いの息遣い───…だけ













顎を伝う汗に








()を奪われる

















決して広いとは云えない、場処
湿度の高い、ほの明るい部室、に 2人




───2人っきり















「…っ、…」










白くなる程、に
握り締められていた、指先、が
ゆっくり、と───…弛緩し




隙間から皺の寄ったシーツが滑り落ちた──────…
















「ご免…キツかった…?」









額に張り付いた、きんいろの髪を丁寧に掻き上げてゆく
手の甲の刹那さ、に───…
視界一杯に拡がる、幼さを残した、紅い瞳の持ち主に









「…大丈夫、よ」















微笑む







極上の笑み、で

















「でも…加速装置で洗濯機に突撃するのは止めてね───…シーツ洗い終わる前、は、特に」


「…ごめん…」





───シーツの手洗い10人分。
それはサイボーグである彼等にも結構な重労働らしい。










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afterword






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