(はつどう)















宿主不在の
乱雑な部屋


開け放たれた窓
踊る、カーテン


舞い込む風に
運ばれる───…












嗅ぎ慣れた、香













「…ぁ…」




ドアを開けた刹那───…まるで自分を包み込むように立ち込める、濃密な…其れ




「…ジェッ、ト…」




縫い付けられたかの様に立ち竦む、(からだ)
辛うじて自由の残る腕、を のろのろと持ち上げ己を抱き締めて。

感じる、眩暈にも似た…酩酊感。






脳裏を過ぎるのは昨夜(ゆうべ)、の───…





















「どうした?」


微動だにしないフランソワーズを不審に思ったのか、穏やかに声を掛けるアルベルト、は彼女と彼女の視線の先を見比べ───…



「…成る程」


小さく呟き、得心が行った、と 云わんばかりに口許にシニカルな笑みを乗せた。




「昨夜…」


微かに吐き出された、科白(それ)───…




憂いを含んだ瞳
震える長い睫毛
頬はうっすらと薄紅(うすくれない)をきざし






「…あんなに…」











───countdown













女王様発動5秒前





















「掃除したのに何で数時間で酒と煙草とジャンクフードだらけの部屋に逆戻りするのよーっ!!!」
















───酒と煙草とジャンクフード
其れ、は 天下無敵な『香り(におい)』の発生源















ジェットの行末が強制決定された頃。

当の本人はトイレに籠もり、襲い来る二日酔(吐き気)に勝ち目の無い戦いを強いられていた。











top   back   next




afterword






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送