遅れて遣って来た 救世主は訊う
汝が願望を叶えん、と
───祈りなぞ、疾うに泡沫と涸れ果て
───口にするは 只1つ
『死に存える事無き、永遠なる消滅を』
疎ましき 死に存えし己が躯
生命を繋いでゆく事も無く
只動くのみの人を模ったモノ
是程迄に疎ましく
───いっそ愚夢に埋もれ
狂うて棄ててしまえば良いものを
涸れて尚、仕舞い込む 己が浅ましさ
───愚かしささえ
窮めてしまえば
嘲笑うしか なく
我等が救世主は訊う
汝が願望は────…?と
何を、今更?
本当に必要な瞬間に居ないモノなど
必要、ない
───それでも
天衣無縫な我等が救世主は訊う
汝の願望は────…?と
掛け値なき、無垢なる子供の本音
あなたの声、が
あなたの瞳、が
偽り無き光彩を湛えて
紡ぐ 言葉
『傍に───…居て』
幾千と重ねられし 耳慣れた『言葉』
あなたの声、で
あなたの瞳、で
紡がれるだけで
掏り替えられる 意義
存在する筈もない
救世主に誓おう
無駄に死に存えた 躯であろうと
我等が救世主よ
明け方に観る 儚き夢の如き
あなたの瞳を曇らせんことを
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